欧州における立体商標の保護~ルービックキューブ判決を受けて~
判例法が大きな役割を果たしている欧州商標制度では、実務に影響する重要判例が数多く存在するが、2016年11月のルービックキューブの立体商標に関する事件は今後、引用される判決の一つとなるか、あるいは論争を巻き起こすものとなるか、いずれにしても重要な論点を複数含んでいる。欧州商標の根拠条文等は日々参照するものではないと思うので、条文と審査指針を示した後、第一審から最終審までの計四つの決定・判決の抜粋抄訳を紹介し、論点の一つである技術的形状についての検討を行った。