アジアお客様向けの活動

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PCT出願の47.4%、世界の商標活動の55%はアジアからのものが占めています。アジアは世界で最も興味深く活発な知財市場の一つです。コペンハーゲン本社にある弊所アジアンデスクは、アジアのお客様が欧州市場に参入する際のビジネスの保護を専門としています。

文化理解の重要性

弊所のアジアデスクチームは、2009年に岡山弁理士が入所し設立されました。ラッセ・リンホファーとヘレーネ・フェルツ・ニューボーを加えたチームは、日本、中国、韓国のお客様を中心に、アジアからの案件について協力して取り組んでいます。

「アジアのお客様、特に日本のお客様にとって、日本弁理士2名が母国語を話し共通の文化的背景やビジネス慣習を理解していることは利点です。お客様が必要としていることと、特定の案件でどのようにサポートすることができるのかを理解することができます、とラッセ・リンホファーは説明します。

東洋文化に魅了されているラッセ・リンホファーは、2014年に岡山の出張に同行し日本を訪れて以降、ライフサイエンス分野でチームをサポートしています。以来、欧州特許制度や単一効特許についての知識をアジアのお客様とシェアし、何度もアジアを訪れています。彼にとって、お客様に利益をもたらすのは、相互の信頼に基づき継続性のある関係を確立するためのチームの献身です。

「これまで5度日本を訪問し、日々の業務をどのように行えばお客様のお役に立つことができるかについての理解が深まっています。お客様と強く、そして個人的な関係を築くことが重要であり、具体的にお客様と関連する情報やニュースを見つけた際は、時間を費やして連絡を取り合っているのです」とリンホファーは話します。

ビジネスと冒険の融合

リンホファーと岡山はオフィスをシェアし、日常的にビジネス上の問題点や共通の関心事について話し合う機会を得ています。また、休憩時にはロックミュージック、ギター、食という共通の趣味を楽しんでいます。彼らの良好な関係は定期的な出張に積極的な影響を与えており、生産的に働きながらも、訪れた先の文化を一緒に楽しんでいます。

「最初の出張は打ち合わせの予定が詰まっていましたが、ビジネスディナーの場でも日本料理や日本の伝統を知る機会がありました。会議室を離れて食事の席を共有することで、私たちの視点を変え、アジアお客様のニーズや考え方について貴重な洞察を得ることができます」とリンホファーは続けます。

プロフェッショナルな打ち合わせの場とカジュアルなビジネスディナーの組み合わせることで、アジアのお客様と長期的なビジネス関係を構築するための明確なアイデアを得たと話します。

「ビジネスが最初に始まる西洋のビジネススタイルとは対照的に、アジアにおける良好なビジネスパートナーシップの基盤は、互いの成功への相互の信頼と関心から始まります。最優先事項は、お客様をどのようにサポートできるかということです。私が初めて日本を訪れた際、自分で道を見つけなければならないと思っていましたが、すぐに日本の皆さんが私を助けるためにできる限りのことをしてくれることに気付きました。これは私たちの哲学でもあります。 私たちができる最善の方法でお客様をサポートする」とリンホファーは続けます。

アジア企業が欧州の知財規則を理解するサポート

近年、中国をはじめとするアジア企業は、欧州企業への投資や自社製品で市場に参入し欧州への事業拡大に関心が高まっています。文化的理解は欧州市場へ参入する際に考慮すべき1つの側面ですが、アジアのお客様にとって、地域全体の知財システムについて一貫した戦略と理解を深めることも重要です。
そのため、アジアデスクは具体的に関連があると思われるときはいつでも、お客様にアプローチします。「日本、中国、韓国などのアジアのお客様とお仕事する際には、現在所有の知的財産権やこれから出願しようとしている特許出願、単一効特許がどのように利益をもたらすのかを説明します。これは欧州で事業を成功させるために本当に必要なものに焦点を当てることを意味します」と岡山は説明します。
APAA(アジア弁理士協会)の国際会議等を通してプレゼンスを向上させ、地域間の橋渡しを行っています。私たちはお客様と直接お会いし、長期的な協力を通じてお客様の目的をどのように達成していくのか、どのように手助けすることができるのかを説明すると同時に、欧州のお客様がアジアで関係を築くことをサポートしています。
「現在、日本には弊所のような特許事務所が約4,000存在し、年間約30万件のPCT出願が出願されています。一部の事務所のみが欧州に焦点を当てていますが、日本から欧州への出願件数は増加しており、欧州の知的財産法に関する専門知識への需要が高まっていますから、お客様の期待とニーズに対応するのは当然のことです」とリンホファーは話します。

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