ロボットたちはすぐそこにいます-予想もしない方法で・・・

ロボットといえば、テレビドラマシリーズ『ウエストワールド』や映画『ブレードランナー』を連想しますか?あるいは機械的な産業作業を行う、大きなロボットアームが目に浮かぶでしょうか。

アンドロイドロボットは、もはやSFの世界に限られません。未来のロボットは現在の我々が想像し、理解するものとは大きく異なる、より抽象的なものなのです。

ビッグデータ、Internet of Things(IoT)、インダストリー4.0は、ロボットについての会話で聞かれる流行語のほんの一部です。この他にも、安全性と倫理的なガイドラインについて近年、盛んに議論されています。

人工知能の限界とは何でしょうか。ロボットがすべての作業をしている間、人間はふんぞり返るようになるのでしょうか。ロボットによって制御されるマトリックスのような社会に向かっているのでしょうか。人とロボットが互いに補完し合うような中間的な方法があるのでしょうか。

ロボットに大きな期待を寄せているのか、あるいは懐疑的であるのかに関わらず、ロボットの時代が到来していることは事実であり、デンマークはロボット業界をリードする国の一つです。デンマークは製造業に従事する一人当たりのロボット数が最も多い国のひとつです。この背景にはオーデンセ市にある「ロボットクラスタ」があります。

オーデンセでのロボット探索

オーデンセには、南デンマーク大学の博士課程の学生らの助けを借りながら、ロボットの高度な技術を開発する企業が100社以上あります。学生と産業界の協力により、企業は最新の知識を得る一方、学生は実際に学んだ成果を試すことができます。

プローマンヴィントフトの2人の弁理士ブリアン・アナセンとミカエル・フリース・ソーンセンは、数年前からロボットクラスタに所属する企業と博士課程の学生らによる共同開発をお手伝いして参りました

弊所弁理士ブリアン・アナセンとミカエル・フリース・ソーンセンと、オーフスのDokk1図書館にて「勤務」するノーマ。図書館の資料や書籍に関する情報を人々に提供しています。撮影:ボー・フリステル

弁理士としての豊富な経験の他、ブリアンとミカエルはロボット技術の背景にある専門知識を有しており、いずれも特許手続きに活かされています。彼らはオールボー大学で工学を学び、ブリアンは光学とピエゾ技術を専攻し修士号・博士号を、ミカエルはエレクトロニクス、ソフトウェア、音響をに関して修士号を取得しました。 また、ロボット技術のイノベーターに熱い関心を寄せています。

ブリアン:「技術と特許の両面で『挑戦』している、最新かつ発展途上の分野です。」

ミカエル:「エキサイティングな点のひとつに、インダストリー4.0ではロボットがより抽象的な意味で理解されていることが挙げられます。単調に動作しているようにみえるアームの背景には、複数の異なる技術が組み合わせられています。」

未来のロボット技術 – 自動ロボットのネットワーク

インダストリー4.0という表現は、生産が自動化される傾向にあることを表しています。マシンとロボットはデジタルネットワークで接続されており、作業プロセスを自分で調整することができます。

農業従事者が介入することなく、トラクターと収穫機がお互いにコミュニケートし、作業が進む農場を想像してみてください。さらに複数の農家のデータを収集する大規模なデータシステムに接続し、理想的な収穫時期を算出することも可能となります。

言い換えれば、未来のロボット技術はより広い意味で理解されるものということができるでしょう。 まず、ロボットには産業内・家庭内で特定の業務を行う物理的なロボットがあります。これらは移動可能で、学習し、人と生活することができます。また、ロボット技術は抽象的なネットワークとして理解され、機械は互いに通信し協力することができます。

ミカエル:「ロボットの自動化を目指す場合、例えば店舗に客がいる状態で床を清掃する等、人の中で活動できるようにしなければなりません。ロボットは、人がどこにいるのかを見聞きし、次にどこに向かうのかを予測します。」

すなわちロボット技術とは、様々な分野と関連する一連の技術で構成される複雑な領域なのです。

ロボット技術の特許取得には概要を得ることが不可欠です

様々な技術が混在する分野であるため、弁理士は技術一般の概要と、詳細についての確かな理解が必要です。ブリアン・アナセンとミカエル・フリース・ソーンセンは、長年に渡りロボットクラスタの企業や研究者にアドバイスして参りました。彼らのアドバイスは、業界に深くかつ幅広い理解をもたらしました。

ミカエル:「日々、この分野の理解が深まっています。例えば、周辺技術で特許化に携わった経験から、当該開発中の発明は近い技術分野で公知である事実を、開発の早い段階でクライアントに伝えることができます。」

ブリアン:「プローマンヴィントフトでは技術分野に応じて、また複数人のチームで案件に臨みますので、ミカエルと私以外の、例えば機械専門の弁理士が担当する場合もあります。クライアントの技術内容、要望に耳を傾けることが第一です。」

ミカエルとブリアンは、南デンマーク大学と共にロボット技術の様々な分野の特許マッピングをしております。例えば、最も活動が盛んな地域は?興味深い分野は?特許が多い領域は?といった内容です。

これによって博士課程の学生らは、自らの能力を活かす企業を知ることができ、最終的には就職先を見つけることにも繋がります。彼らはまた、どの発明が開発に関連しなくなるのかを見極める目を持っています。一方で、企業や学生が弁理士の助言を得るのが遅すぎると誤った判断となる場合もあります。

ミカエル:「我々弁理士に相談する前にアイデアを公開してしまい、特許取得に至らなかった件がありました。他にも、アイデアの開発を開始した後に、第三者が既に同一の技術について特許取得していることを知ったケースもありました。」

オーデンセにオフィスを開設いたしました

2017年2月1日、弊所はオーデンセにオフィススペースを開設いたしました。これにより、オーデンセ近郊の研究者や企業は、ロボット技術の特許取得に関するアドバイスをより容易に得ることができるようになりました。弊所のロボット、ドローンの専門家は、ロボットクラスタ内やその周辺の多数のアクティブな企業のローカルパートナーとなることを心待ちにしております。

こちらもご覧ください: プローマンヴィントフトは、デンマーク南部に支所を開設します

こちらもご覧ください: ロボット工学