トピック
Bayer AG

世界を変えたピル

専門家に相談しましょう

1960年頃より避妊薬は女性の社会的解放に大きな役割を果たしてきました。1990年代バイエル社が開発に着手した避妊薬は現在、ヤスミン®として知られています。弊所はヤスミン®関連の特許案件を扱わせていただいております。

ピルは女性だけでなく社会全体にとって重要な役割を果たしています。女性の完全雇用を実現可能にしたという点で莫大な経済効果を与えています。

1960年に最初の避妊薬が米国市場に導入される前、女性は酢酸洗浄や少なくとも当時は扱いにくかったペッサリーのような疑わしい避妊手段を使用せざるを得ず、望まない妊娠は健康面、経済面、そして社会的にも良くない結果をもたらしていました。避妊薬のおかげで女性は男性と同じ条件で積極的な性生活の「自由」を獲得し、子を何人持つかを決めることも可能となりました。

女性が新たに獲得した経済的性的自由は、社会規範やそれまでの道徳観を変化させ、女性解放運動や1968年の動乱の基盤を作り、1960年代後半から1970年代に続いた反抗的な若者文化の形成にも影響を及ぼしました。

避妊薬のような信頼性の高い避妊方法がこれまで普及していなかったアジア諸国にて近年、これに似た女性の解放がみられます。特に中国、インド、ベトナムでは避妊薬市場が拡大しており、アジアの女性たちは何世紀にもわたって望ましくない妊娠をしているとの指摘もあります。

バイエル社のヤスミン®

最初の避妊薬には非常に高用量の合成エストロゲンが含まれていましたが、その後血栓などの重篤な副作用の危険性があることが判明しました。このような副作用を避けるべく、多くの研究が行われバイエル社によって次世代の避妊薬が開発されました。

 

特許は、次世代のイノベーティブな製薬へ投資するリスクを取り、挑戦するために不可欠な保証を与えてくれます…

 

バイエル社は1999年、第4世代避妊薬「ヤスミン®」について特許を取得しました。

ビジネスモデルにおける知財

製薬会社は臨床承認プロセスの中で製品の化学式を開示する義務がありますが、時には製品を市場に出す準備が整う12年も前に開示しなければならない場合もあります。したがって、バイエル社のような製薬企業にとって知財戦略はビジネスモデルの根本です。

特許がなければ誰もが製剤をコピーできますので、製品が市場に出るチャンスはありません。特許権の存続期間は出願日から20年間で終了する国がほとんどですので、市場を独占できる期間は限られています。

「リスクを伴う新薬開発を行い長年研究を継続して初めて、患者さんに新しい治療法を提供できるようになります。新薬候補の失敗率は高いものですが、特許は投資を取り戻すチャンスの必須要件です。次世代のイノベーティブな製薬へ投資するリスクを取り、挑戦するために不可欠な保証を与えてくれるのです。」バイエルウィメンズヘルス特許部長のChristiane Noeske-Jungblut氏は話します。

非常に初期のライフサイエンス関連特許の保護は、弊所が得意としている専門分野の1つです。バイエル社がヤスミン®錠の特許取得を検討していた際、弊所弁理士に注目しました。
「知財は製薬企業やバイオテクノロジー企業にとって最も貴重な資源であり、その保護は事業の成功の鍵となる要素です。弊所は30年以上にわたり商業的に重要な特許を管理し、専門性を確立しています。」弊所キム・バウナー欧州特許弁理士はバイエル社の特許顧問を10年以上務めています。
バイエル社は女性の健康に関してリーディングスプレーヤーであり、これまでの研究に関する知識を活用し子宮筋腫や子宮内膜症をはじめとした婦人科疾患について新しい治療法を提供します。

避妊薬に関する5つのトリビア

  1. デンマーク語で避妊薬を意味する「P-pille」のPはピンカスの略で、ピンカスとは避妊薬の産みの親をピンカス博士から来ています。

  2. 経口避妊薬はデンマークで最も広く使用されている避妊方法です。

  3. 1967年世界で約1300万人の女性がピルを利用していましたが、 今日その数は1億人に上ります。

  4. 10代の中絶の数は1988年から2010年にかけて66%減少しました。避妊薬の普及によるものです。

  5. 1993年、エコノミストによる現代世界の7つの驚異に避妊薬がノミネートされました。

 

 

 

弊所からのお知らせを受け取ります

pharma@pv.eu