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Skype

「スカイプを利用なさっていますか?」

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ペア・ヨーン・ニューグレン

弁理士(シニア)、パートナー

機械工学修士・博士

-あなたが生み出した造語が辞書に載る日

2003年8月、スカイプのベータ版をリリースした際、その創設者でスウェーデン人のニクラス・ゼンストルムとデンマーク人ヤヌス・フリースの2人は、スカイプという語が辞書に掲載される日が来るとは思ってもみませんでした。ただ、最善の方法で保護しなければならない非常に良いアイデアであることを確信していました。

2003年のリリース前に、弊所弁理士のアドバイスの下特許を取得しました。

スカイプの誕生
スカイプの冒険は2000年、スウェーデン人ニクラス・ゼンストルムとデンマーク人ヤヌス・フリースがピア・トゥ・ピア技術(P2P)に基づいた共有サービスの開発に協力したことから始まりました。
2人はP2P技術に隠された大きな可能性があることに疑いはなく、瞬く間に国際的成功を収めました。

彼らは最初のP2Pベースの共有サービスから、現在の電話サービススカイプを開発しました。スカイプユーザーは、インターネット経由の無料通話または格安通話を行うことができます。

 

 

ピア・トゥ・ピア技術とは
ピア・トゥ・ピアネットワーク(P2P)では、コンピュータはインターネットを介して直接接続されます。従来のクライアントサーバ技術による接続と異なり、各コンピュータがクライアントかつサーバの両方である代わりに、接続は中央サーバを経由しません。これは、コンピュータが他のユーザーにそのサービスを使用させることができ、同時に他のコンピュータのリソースを使用することを意味します。
ピア・トゥ・ピアネットワークは多くの利点を有しています。まず、従来の形式に比べてはるかに多くの回線を処理することができます。第二にプライベート企業が所有する中央サーバが情報を収集し、通話にアクセスすることを避けられるため、ユーザーの安全性が高くなります。 第三に、必要なのはインターネットアクセスとP2Pソフトウェアだけということです。

特許も技術も安全性が第一
スカイプにとっての最初の1年間は、ユーザの安全性と情報の暗号化を最重要事項としていました。ピア・トゥ・ピア技術は、大容量データの迅速な高速通信の提供を可能とします。同時に、インターネットを介した通話は新しく刺激的であり、スカイプのオーディオ品質は競合他社よりも優れていました。スカイプが成功を収めた背景にはこれらの事実がありました。

もう一つの重要だったことは、ニクラスとヤヌスが初期段階でこの技術の特許を取得したことでした。 創業者の安全に関する理想は、彼らの技術を保護し、他社に奪われないようにする意識を高めました。

「創業者らはビジネスラインと特許の両面で広い見通しと優れた先見性を持っていました。多くの場合、企業は発明が新規性を失ってから、または競合他社に先を越された後で特許出願します。しかし、彼らは特許の重要性を知っていました。」弊所スーネ・ホイフェルトは説明します。

弊所のサポートの下、ニクラスとヤヌスは最初に米国で、その後他の国でも、基礎となるピア・トゥ・ピア技術の特許を取得しました。この包括的な特許取得に多くの時間と予算を費やしましたが、新たに創業した中小企業にとって決定的な投資となりました。

「最初の特許は、他の企業によって似たようなソリューションが提示されることを避けるものでした。IT業界の大手企業がこのような技術に取り掛かった途端に特許ゲームが始まり、先手を打っている小規模な技術会社が勝ち抜く可能性が高くなります。したがって、特許の波を立てることが不可欠でした。」とホイフェルトは続けます。

スカイプの特許取得は、何十億ユーロ規模となったeBayへの技術売却の基盤となり、ニクラスとヤヌスはIT分野での北欧最大の成功事例となりました。

ビデオ通話は世界を繋ぎます
2005年はスカイプにとって画期的な年でした。この年、世界中の他のユーザーを見ながら会話できるビデオテレフォニーを導入したのです。これは今日の私たちが「スカイプする」として体験していることですが、当時は画期的なことでした。

この技術は、個人と企業が国境を越えて移動するグローバル化された世界で強く求められていました。

企業にとってこの技術は、従業員が地球の反対側に、あるいは別の都市に座って、密接に働く可能性を意味していました。彼らは会ったことがないかもしれませんが、スカイプで関係を構築することができます。

教育システムでは、遠隔教育と知識共有を容易としました。研究者は、机を離れることなく他の大学や外国の同僚とスカイプのやりとりを通して協力することができ、生徒は他の国に旅行することなく最良の教師へアクセスできるようになりました。

スカイプは、母国以外の海外に、あるいは家族と離れて生活する何百万人もの人々にとっては、重要なライフラインです。海外の新しい住居のバーチャルツアーを可能にし、画面を通して遠くの孫に会うこともできます。

特許の10億倍の利益を倍増
2005年は、ニクラスとヤヌスがスカイプをオンラインオークションのeBayに約160億デンマーククローネで売却した年でもありました。彼らはグローバル・インデックス・コミュニケーション・テクノロジーと呼ばれる特許をJoltid Ltd.のもとで保有し、eBayとライセンス契約を結んだのです。

その後、スカイプは株式の14%と引き換えに特許権を引き継ぎました。2011年にスカイプが特許とユーザーデータベースを含めてマイクロソフトに販売されたとき、創業者のそれぞれが約30億デンマーククローネを取得しました。

世界規模の特許の早期の投資により、スカイプの創業者は、何十億ユーロ規模の収益をeBayへの売却時、そしてマイクロソフトへの売却時の二度、取得しています。何よりも、2人の創業者は国境を越えて人々をつなぐ会社を創設しました。これこそがスカイプで語る価値のあるサクセスストーリーでしょう。

 

ご存知でしたか。

… スカイプはスカイ・ピア・トゥ・ピアの略です。

… デンマーク人は2003年に「スカイピング」という動詞を使用し始めました。

… 全世界で1日あたり3億分の会話がスカイプを通して行われています。

… スカイプは毎年、18億以上のビデオ通話に使用されています。

 

 

 

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