日本国弁理士、古き良きものに出会う

20年以上知財に携わっている日本国弁理士である岡山新史は、デンマークの特許事務所プローマンヴィントフトにて、アジアのお客様を担当するアジアンデスクのメンバーの一員です。2009年、彼の趣味である車やクラシック音楽と仕事の両立を考え、コペンハーゲンに移住することを決意しました。

デンマークへの移住

実のところ、彼の人生において、デンマークへの移住は全くの想定外のことでした。そんなある日、日本の弁理士試験に同期合格した友人がフランスで仕事をすることを知りました。彼の新しい門出を祝うべく壮行会を開いたその夜、彼は酔いに任せて「よし!自分もヨーロッパに行くぞ!」と公言してしまいました(もちろん彼はそんなことは覚えていませんでした)。ところが、フランスに行った友人からプローマンヴィントフトが日本人弁理士を探している、という話が舞い込んできたのです。そして彼はコペンハーゲンへの移住を決意したのです。それまで人生で一度も外国に行ったことが無いのに…

デンマークの首都コペンハーゲンを初めて見た彼はショックを受けました。東京と比べてあまりにも小さな都市だったからです。しかし、デンマーク人のライフスタイルや考え方を知るにつれ、コペンハーゲンでの生活が本当に心地良く感じられるようになっていきました。「スーパーマーケットであろうがどこであろうが、どこに行ってもみんなとても気さくで笑顔に満ちあふれているからです。見知らぬ人同士がおしゃべりをはじめ、助け合う、そんな素朴なデンマーク人の姿に惹かれていきました。」と彼は語ってくれました。

コペンハーゲンを象徴する場所のひとつ旧い港町ニューハウンは、夏の散策にはうってつけです。 Photo: dancepool/Pixabay.com

文化の違いを超えて

弁理士としての彼の仕事は、日本及び他のアジア諸国の欧州出願を取り扱う他、日本の案件を扱う同僚をサポートすることです。日々の業務や実務を通じて、彼は、アジア、特に日本のお客様が弊所に期待していることあるいは要望に応えるためには、日本人の考え方を同僚に知ってもらうことはもちろんのこと、それと同時に彼自身がデンマーク人の考え方を学ぶことがとても大切なことであることに気づきました。

「日本の市場を開拓する、ということにのみ注目するのであれば、私が日本に居たほうが効率的なのかもしれませんね。しかし、それでは、同僚が毎日どのように働いて、そしてどういった考え方をしているのか、といった弊所の本当の姿を日本のお客様にお伝えすることができません。また、英語で説明しにくいような微妙なニュアンスを含め、日本のお客様のご要望を同僚にしっかり理解してもらうには、やはり同僚とその場で直接話したがほうがずっと伝わりやすいでしょう。そういったことから、私がコペンハーゲンに居たほうが日本のお客様にも、また弊所にとっても総合的には有益なのでは、と考えています。」日本、中国及び韓国のお客様をサポートする弊所アジアンデスクがコペンハーゲンに拠点をおくのはこういった背景があるのです。

一方で、お客様と実際にお会いすることが何よりも重要であることを彼は良く知っています。今日、メールやインターネットなど、国境を意識することなくお客様とコミュニケーションできる手段はいくらでもあります。しかし、これらのコミュニケーション手段は、実際にお会いし、同じ空間を共有することには敵いません。その空気感を肌で感じることで、相互理解が深まるとともにより強い絆が生まれ、高品質なサービスをご提供することに繋がるのです。

どの仕事、その時代にもいえることですが、一番大切なこと、それはやはり人と人との繋がりといえるでしょう。

アジアの業務に特化した弁理士チーム

アジアンデスクは、岡山弁理士が弊所で働き始めた2009年にジャパニーズデスクとして発足しました。その後、弊所とアジア各国との関係は拡大され、これに伴い、その名称をアジアンデスクに改称しました。アジアンデスクは、 安原亜湖(日本国弁理士), ラッセ リンホファー(欧州特許弁理士) and ヘレーネ・フェルツ・ニューボー(特許パラリーガル), そして岡山新史(日本国弁理士)を中心としたメンバーで構成されています。

プローマン ヴィントフトのアジアンデスクは4名の専任スタッフで構成されています。写真は安原亜湖日本国弁理士と岡山新史日本国弁理士です。

彼らは「アジアのお客様には欧州の知財制度に関する情報はもちろんのこと、欧州のビジネス文化に関する情報もご提供できるよう、またアジアの市場を理解したいとお考えのヨーロッパのお客様に対してもベストなアドヴァイスができるよう、常に努めています。」と話します。彼らは、アジア諸国のお客様との連携を強化すべく、日本、中国および韓国に定期的に訪れる他、APAA等国際会議にも精力的に参加しています。

旧車と音楽に対する情熱

さて、ここで岡山弁理士の人柄について少しご紹介させていただきましょう。メカ系技術者であった彼は、休日には、同僚を巻き込んで、30年前に製造された旧いメルセデスを楽しんでいます。交差点の真ん中で止まったメルセデスを押してくれ、ガレージまで牽引してくれ、さらにはトランスミッションの載せ替えまで手伝ってくれる、そんな同僚を彼は心から愛しています。彼らのおかげで美しいスカンジナビアの景色を楽しみながらドライブできるのですから、ビールをおごるだけでは足りないでしょう。

彼は高校生の頃、オーケストラ部でチューバを演奏していたとともにバンドでエレキギターを弾いていたことから、音楽に対する情熱も相当なものです。幸運にも弊所はデンマークで最も有名なコンサートホール DRコンサートホールに徒歩5分のところに位置します。彼はコンサートホールではチューバの後ろの席を陣取ることで、あたかも奏者の一人として加わったかのような感覚を楽しんでいるようです。

プローマンヴィントフトのコペンハーゲン本社の所在地イゥーアステド ノアドを散歩する岡山弁理士。その後ろに、有名なコンサートホール DRコンサートホールが見えます。彼のお気に入りの場所です。

そんな彼は、永遠のギターヒーロー、エディ・ヴァン・ヘイレンをプレイすべくギターを再び練習し、バンドでプレイするという野望をどうやら抱いているようです。夢見ることができるなら何だってできる、の信念のもとに、彼のメジャーデビューに期待しましょう。

どうぞお気軽にお問い合わせください。

アジア及び欧州のお客様への弊所サービスについてのより詳細については こちらをご覧ください。また岡山弁理士についての詳細は こちらからご覧いただけます。